メニュー

脂肪肝

[2024.07.28]

脂肪肝は糖尿病の原因のひとつ

2型糖尿病の原因は、インスリンの分泌低下と、インスリン抵抗性の増大です。主として糖尿病の家族歴があり、もともとインスリンの分泌低下が起こりやすい方が、肥満や過食やストレスや運動不足などが誘因となり、インスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病を発症してきます。インスリン抵抗性のメカニズムのうち、もっとも重要なものが脂肪肝と言われております

脂肪肝のうち、一部は肝臓に蓄積した脂肪組織が炎症を起こし、これがサイトカインなどを通じてインスリン抵抗性を引き起こします。インスリンはある程度分泌されていても、それが肝臓の細胞に効かない状態です。このように、脂肪肝と糖尿病は密接な関係があり、脂肪肝を把握する最も簡単な方法が腹部超音波検査です。

また、私が医学生だった2000年代初めは、肝臓がんといえばほとんどがB型肝炎、C型肝炎を母体として肝炎→肝硬変→肝臓がんになるというものでした。特に多かったC型肝炎については2010年代に抗ウイルス薬で完治できるようになり、現在は脂肪肝を母体とした肝臓がんが注目されるようになっています。

脂肪肝が進行するとNASHとなる

糖尿病も肝臓がんのリスクを上げることが知られております。脂肪肝の一部がNASHとなり、肝硬変や発がんに至る例があることや、高血糖によりインスリンが分泌されるとIGF-1作用により細胞増殖が起きること、高血糖により酸化ストレスが誘導されることが原因と考えられます。

脂肪肝をもっている方は、日本に2000万人いると推定されています。そのうち10%がNASHであると推定されています。NASHに至ると肝硬変、肝がんをきたすリスクがあります。特に糖尿病を基礎疾患に持つ方や飲酒量が多い方については、定期的に腹部超音波検査を実施することが重要です。

当院でも腹部超音波検査を実施しております。ご希望の方はご相談ください。

 

 

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME