漢方薬の飲み方・副作用について
・基本的に1日3回ですが、最低1日2回でもよい。食前または食間にこだわらなくて構いません。
漢方薬は毎食前30分前というように薬袋に書かれることが多いです。この理由は、漢方を食後に飲むと、生薬は食事の成分に近いものが多いため、食事の影響を受ける可能性があるからです。また、漢方薬に限らず、一般的にお薬は空腹状態の方が吸収がよいのです。しかし、飲むタイミングよりもまずはきちんと飲めるかが大事です。私も漢方薬を飲むことがあるので、よくわかるのですが、1日3回の薬を飲むのは結構大変です。1日最低2回、いつでもかまわないので飲んでくださいと言っています。
睡眠を助ける漢方薬(54抑肝散や12柴胡加竜骨牡蛎湯など)は寝る前に1日1回で処方することもあります。めまいに対する39苓桂朮甘湯や、足がつったときに対する68芍薬甘草湯は、頓用(症状が起きたときに1包内服)の処方も良く出します。その場合は、1日3回の添付文書にこだわる必要はありません。
・飲みやすい飲み方で。
近くにお湯がないこともありますし、時間がなければ、お薬を口の中に入れて、お茶などで流し込んでももちろんOKです。一番大事なのはしっかりと飲むことですから。
・2種類の漢方薬が処方された場合
2種類の漢方薬を時間をあけずに次々に内服しても構いませんし、一緒に混ぜて飲んでも構いません。2種類の薬効が混ざってしまう心配があるのであれば、5分ぐらい時間をずらして飲んでも良いでしょう。
・飲んでいる西洋薬は続行です。
漢方は標準治療(西洋医学)の補完医療です。漢方で次第に症状が良くなって、西洋薬がいらなくなることはありえますが、患者さん自身で判断するのは危険です。その場合、かかっているお医者さんに相談してください。くれぐれも自己判断で薬をやめるのは避けてください。
・漢方薬は一番安全な薬の部類です。でも、薬なので、稀に重篤な副作用があります。漢方を飲んでいて、なにかおかしいなと思ったら、漢方を中止して、医者に連絡です。
漢方薬は薬局でもOTC薬として売られていますが、比較的副作用が少ないとされているため第2類医薬品という扱いで、薬剤師でなくても登録販売者であれば販売が許可されている、というお薬です。医療用漢方薬も、ときどき倍量であったりという違いはありますが、薬局でのOTC薬と同じ製造ラインで製造されているという点で違いはありません。
漢方エキス剤を1包飲んで死亡した人はいません。また、流産した報告もありません。なにかおかしければ服用をやめてもらえば、基本的には安全な薬です。
空咳がでたり、足がむくんだり、漢方を飲んでむかむかするなど、なにか変だなと思ったら、漢方の服用を中止して、医師に連絡しましょう。
2か月に1回は血液検査で肝機能、カリウム値のチェックをしてもらうと完璧です。