風邪は漢方だけでは治りません
風邪は若い人も、高齢者もひくものです。コロナ期間中にマスク政策があったため、病原体への接触が減り、風邪に対する免疫が低下している人が増えているといわれております。
2024年は、コロナ感染症が5類になって、世の中にありふれた呼吸器感染症となりました。コロナだけでなく、しつこい咳が2-3週間続く風邪をひく方の受診も増えてきております。
この項目では、そういった風邪にかかって来院された方に、私が診察室でお話している風邪をひいた時の過ごし方についてまとめました。風邪は薬だけで治るわけではなく、風邪を引いた時こそ日常生活を見直し、体の免疫反応を最大限に高めることが大切になります。
〇よく眠る
質の高い睡眠をとるには、なによりもスマートホンを近くに置かないことが大切です。明るさも適度にして入眠を妨げることがないようにします。風邪のウイルスは睡眠中に減少してゆくことが知られております。なるべく長い睡眠をとるようにしてください。キャンセル、延期できる予定はなるべく減らして、心理的な負担を減らしましょう。
〇飲酒、喫煙
かぜ期間中に、飲酒、喫煙を継続していては治る風邪もなかなか治りません。飲酒すると体温の調節がおかしくなりますし、喫煙によってのどの粘膜への刺激が持続するので、せきや痰が長引きます。風邪をひいている間は飲酒と喫煙をやめましょう。
〇体温調節
ヒートテックなどを着て眠り、睡眠中の体温低下を防ぎます。体温が低下すると免疫力が低下して治る風邪がなかなか治りません。まわりよりも冷たい空気を吸い込むと咳反射が出現しやすく、冷房は不要なら消しましょう。からだが冷え切っている場合は半身浴をしてから入眠するなども考慮しましょう。
〇風邪を治す体制を整えたうえで、漢方薬が風邪を治すのに役に立ちます。必要な方はご相談ください。