のどの痛みと発熱があり、抗原検査がマイナスの場合
昨日からのどがいがいがする症状がでて、夜から38.5℃の発熱。病院でコロナ抗原検査を実施するも陰性。という患者さんが最近多い気がいたします。本日も3人このような患者さんがいらっしゃいました。
コロナ抗原検査の感度は6-7割といわれています。つまり、コロナに感染していても3割以上の方は陰性と出ることになります。したがって、図のように陰性だからと言って、コロナである可能性はあり得ます。
のどの痛みと発熱があるのに、陰性の場合は、どのようなことが考えられるでしょうか。
ひとつは、感染が成立してからまだ時間が経過しておらず、咽頭ぬぐい液に十分なウイルス量が得られなかった可能性があります。症状が疑わしい場合、翌日の再検査をお勧めしています。
もう一つは、コロナではないウイルス性の風邪である可能性があります。実際にはこれが結構あるのではないかと考えております。もともと風邪のウイルスはライノウイルスやアデノウイルス、従来型のコロナウイルスなどたくさんあります。これらはウイルス感染の同定が困難です。
いわゆる溶連菌と呼ばれている、A群β溶連菌による咽頭炎もあります。またお子さんからうつったりした場合に、熱が下がらない場合考えます。口腔内の診察で、扁桃炎の腫大や白苔がついている場合は抗生物質の内服が必要になります。
全く違う病気で、亜急性甲状腺炎という病気があります。ウイルス感染を契機に起こる、破壊性の甲状腺炎で、採血で甲状腺機能亢進症となります。熱がなかなか下がらず、喉のしたのあたりが痛い場合、この病気も考えられます。プレドニンの内服により症状は改善します。
3年以上にわたるマスク生活で、一般的なかぜに対する免疫力も低下している人が多いと思います。コロナに似た症状の風邪も、こじらせると咳が長引いたり、肺炎になったりしますので侮れません。以上のようなことを考えながら、抗原検査陰性のかぜを診察しております。