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清肺湯

クワ 根っこの部分が桑白皮(ソウハクヒ)

クリニックには、風邪をひいて2-3週間たったのに、依然として咳に悩まされているという方がかなりいらっしゃいます。いろいろな処方がありますが、本日は清肺湯について説明します。

清肺湯には、16の生薬が配合されています。ツムラの漢方製剤のなかではかなり生薬数が多い方です。(一番多いのは以前紹介した防風通聖散で18味)そのなかで、咳止めの薬効をもつ生薬がなんと8つ配合されています。ツムラの漢方薬でもっとも多いと思います。

桔梗や杏仁は龍角散にも配合されていておなじみです。桑白皮(そうはくひ)は蚕の飼料としてのクワの根っこの部分が原料です。麦門冬(ばくもんどう)は以前紹介した麦門冬湯の主薬です。天門冬、貝母(ばいも)も咳止めです。五味子(ごみし)は小青竜湯にも含まれている咳止め薬で、チョウセンゴミシの実です。竹筎(チクジョ)は竹の皮です。竹筎温胆湯という別な咳止めにも含まれています。

以上8つが咳止めの薬効があります。麦門冬・天門冬・五味子は肺を潤し、桑白皮、竹筎・貝母は呼吸器の炎症を取ると考えられています。

これに、黄芩、山梔子という炎症をとる生薬が付加されております。風邪の後呼吸器に炎症が続いており、痰を伴う咳が続いている方が良い適応になります。清肺湯は肺を清らかにする薬と書きますが、特に咳だけでなく痰もいっぱい出る慢性の気管支炎にも有効な薬です。

当院はコロナウイルス感染症をはじめとする発熱外来を行っております。清肺湯は、風邪、コロナウイルス感染症などに罹患し、日数が経過しても痰を伴う咳が続いている場合によく処方しています。咳だけでなく、風邪そのものが落ち着いてよくなったという声をたくさんいただいています。清肺湯が鎮咳去痰に有効な生薬を重ねた漢方であることを実感しています。

 

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