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アライ

[2024.04.27]

4月8日に大正製薬から発売されたアライ(内臓脂肪減少薬)について、診察室で質問を受けることが多くなってきました。

アライは、病院で処方することはできず、OTC薬(薬局で薬剤師のもとで購入できる薬)です。体重を減らす薬ではなく、生活習慣病(メタボリックシンドローム)の予防のため内臓肥満の改善を目的としています。BMI 35以上の高度肥満があるひと、またすでに糖尿病、高血圧症、脂質異常症、睡眠時無呼吸症候群などの合併症を持っている方、心筋梗塞や脳梗塞の既往がある場合、肥満症の方は使用できません。当院に来られている患者様の多くが、高血圧・脂質異常症・糖尿病・高尿酸血症のいずれかの病名がついている方になりますが、残念ながらこれらの方は規則で購入できないことになります。本当に残念なことですが、添付文書に書いてあることは絶対ですので致し方ありません。

内臓脂肪減少薬ですので腹囲が男性で85㎝以上、女性で90㎝以上というメタボリック症候群の内臓肥満の基準を満たしていなくてはなりません。しかしBMI 35以上だったり、高血圧や脂質異常症などを合併していると使えないので、基本的に病院に通っている方は使えない薬になります。適応はかなり限定されてしまうのですが、それでも該当する方はそこそこおられると思いますので、そういう条件に適った方は検討してもよいかもしれません。薬剤師がいらっしゃる薬局で、薬剤師の指導を受けながら薬を購入することになり、購入前には1か月間の食事・運動の取り組みの記録を提出する必要があります。

アライ(一般名オルリスタット)は脂肪分解する酵素であるリパーゼに結合し不活性化する事により脂肪分解を阻害します。その結果脂肪の一部(25%程度)が吸収されずに便の一部として排出されるという作用機序になります。そのため、脂肪便や、お尻から油が漏れてしまうという副作用がおこることがあります。体重としては、2%程度の減量効果があるというデータが出ております。

 

 

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