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中枢性尿崩症

[2023.12.24]

抗利尿ホルモン(ADH,バソプレシン)というホルモンがあります。このホルモンは、尿を濃縮するホルモンです。腎臓の尿細管の最後の部分の集合管にはたらいて、腎臓の尿生成の過程の最後の段階で尿を濃縮することで、水分を再吸収しています。

抗利尿ホルモンは脳の視床下部というところで作られ、腎臓に働きますが、何らかの原因でこれが作られなくなることがあります。病名は中枢性尿崩症と言いますが、以下尿崩症と略して解説します。脳腫瘍、脳の損傷や脳の手術、結核などですが、原因がわからない特発性と呼ばれるものも結構多いです。日本で3万人ぐらいの患者さんがいらっしゃるといわれておりますので、それほど珍しい病気ではないと言えます。

抗利尿ホルモンが出なくなると、ある日突然、おしっこが大量に出るようになります。このおしっこの比重を測定しますと、等張尿と言われている1.010を下回り、1.003ぐらいの非常に薄い尿になります。これが1日3L出るのですが、しばしば5L以上の尿量になります。患者さんは喉が渇いて仕方がないので、大量の水を飲みます。1日に5L飲んでお小水が5L出る、という事態になります。これはおかしいということで病院を受診して診断されます。

診断は機能確認検査(負荷試験)と、画像検査を行います。機能確認検査では、高張食塩水負荷試験というのを行います。ここから先は画像をご覧ください。生理食塩水は0.9%の食塩水ですが、この5倍以上の5%の食塩水を作成し、これを点滴します。そうしますと、血液中のNaの濃度が上昇し、健常者なら、それに反応して抗利尿ホルモンの濃度が上昇するはずです。しかしながら、尿崩症の患者さんでは、抗利尿ホルモンが全く反応しませんので、ナトリウム濃度が上がっても抗利尿ホルモンは増加しません。

また、画像検査では、正常では、MRIで下垂体後葉に抗利尿ホルモンがプールされていると、その部分が高信号として認められます。尿崩症では、この高信号が消失しております。この所見が診断の参考になります。

尿崩症と診断されますと、治療としては抗利尿ホルモンの補充になりますが、点鼻と、10年ほど前に発売開始となった内服薬の製剤があり、患者さんの希望に応じて処方しております。水分バランスを適切に保つ必要があり、1日尿量としては1500-2000mlが適切とされています。抗利尿ホルモンの補充が過剰になると、低ナトリウム血症を惹起することがありますので、外来採血にて確認しながら治療しております。

当院では内分泌専門施設として、尿崩症の治療を行っております。

 

 

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