インフルエンザB型の特徴
当院の発熱外来は変わらず多くの方が受診しています。年が明けてから、インフルエンザBの患者さんが出始め、2月に入ってからの統計ではA型よりもB型陽性の患者さんの方が多いという状態です。
インフルエンザBはかつて、冬季の流行期の終わりに散見され、インフルエンザ全体の1割程度というような統計が出ておりましたが、当院の今シーズンはそれ以上の割合でインフルエンザB型が検出されています。
一般的に、B型の特徴として、熱は軽いことが多く、下痢や腹痛のような胃腸炎の症状を起こすことがあるといわれていました。しかし、今冬当院の患者さんについては、胃腸炎症状の方はあまり見られず、38度、時に39度台の発熱が見られ、A型よりも高熱になる印象があります。
インフルエンザ全体でみると、ワクチンを打っている方は、打っていない方よりも感染しにくく、また感染したとしても軽症にとどまる印象があります。
インフルエンザワクチンは、流行しそうな株をあらかじめ選定し、A型の代表的な2つ(H1N1/H3N2),B型については2つの株(ビクトリア株とヤマガタ株)について不活化ワクチンを作成しています。来年度はコロナワクチンの自己負担が7000円と発表されており、接種する方が減ると思っております。インフルエンザ・コロナと敵が2つあると、対処が難しいので、是非、2024年は比較的安価なインフルエンザワクチンだけでも接種していただき、同時流行に対して準備をしていただきたいと思います。
また、インフルエンザの特性として、発熱してから12時間以上経たないと抗原検査で陽性になりにくいといわれており、実際に再検査が必要なケースはあります。しかし、当院の検査では12時間経過していなくても陽性になることが少なくなく、現在はコロナ・インフル同時流行の局面ですので、コロナ感染による発熱の可能性もあります。この点を気にしすぎますと、検査・治療が遅れるリスクがあるので、あまり患者さんには12時間たってから受診してくださいとは言っていません。発熱して症状が出たら受診してください。
2020年新型コロナが出始めたころ、PCR検査の結果が出るのが翌日という時期に、そのうちインフルエンザのようにコロナにも抗原検査ができて、看護師さんに「インフル・コロナお願いします」という指示をだすようになるのかなという話を仲間内でしていましたが、本当にそういう時代になりました。同時流行の時代では、単独の検査の意味は乏しく、同時検出キットが不可欠ですが、流行期になり需要が高まったため、現在どのメーカーのキットも品薄になってきております。お取引のある卸さんにお願いして、綱渡りで何とかキットを確保しておりますが、キットが入荷しなくなったら発熱外来ができなくなってしまいます。メーカーさんには増産を頑張っていただきたいところです。我々も発熱外来を頑張ります。