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コロナ第10波に入りました

[2024.01.20]

1月18日に東京都から公表された新型コロナウイルス感染症の定点観測を行っている1医療機関あたりの1週間の報告患者数は5.66人と、1週間前の3.38人を大幅に上回り、コロナ第10波に入ったと考えられます。インフルエンザの報告数についても、2023年秋からほぼ10人以上の高い値を推移しており、インフルエンザ・コロナ同時流行という状況になっています。当院の発熱外来にも2023年末から連日多くの患者様が来院しています。

診断のためにクリニックで実施しているのが抗原検査です。コロナの抗原検査キットが最初に出た2020年ごろはまだ原始的なものでした。実際にコロナに感染している人のうち抗原検査キットで陽性になる割合を感度と言います。抗原検査キットの感度は4割程度と見積もられており、つまりコロナに感染しても、抗原検査では陽性よりも陰性に出る可能性が高いという状況で、ある程度ウイルス量が高い患者さんしか陽性にならないとも言われておりました。そのため、病院では、新型コロナウイルス感染症に対してはPCRを、インフルエンザに対しては抗原検査を実施し、患者さんの鼻に綿棒を2回入れていた時期もありました。

2022年末からインフルエンザ抗原キットと組み合わせたインフルエンザ・コロナ抗原同時検査キットが発売されるようになり、コロナの出現から3年経過して抗原検査の感度も格段に向上しました。今のように、コロナとインフルエンザがほとんど同時流行している現在ではクリニックには不可欠の検査になっていると思います。

問題点は、これはコロナ前のインフルエンザ抗原検査の問題点と変わっていないのですが、インフルエンザ発症後12時間程度は、感染していても抗原検査陰性になる場合が結構あり、再検査が必要になるということです。現在は同時流行の局面ですので、コロナ感染の初期という可能性もあり、12時間経過するのを待って来院する必要はなく、発熱したらすぐに検査を受けるべきです。インフルエンザ薬は発症後時間が経っていないほど効果がある可能性が高く、48時間以上経過した場合は抗ウイルス薬を投与することはできなくなります。当院ではインフルエンザ・コロナダブル抗原検査を実施しております。

画像はロシュ社の抗原検査キットを転載しました。上から、C=コントロール, S=SARSコロナウイルス2, B=インフルエンザB型, A=インフルエンザA型です。Cのバンドは検査が成立したことを示します。例えばCとAにバンドが見られた場合、インフルエンザA型と診断します。

昨年末からの検査では、今のところインフルエンザAとコロナウイルスが同数ぐらいですが、これからコロナウイルスの患者さんが増加することも予想されます。ときどきインフルエンザBの方もおられます。

 

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