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アルコールとの付き合い方

[2024.01.28]

アルコールを作って飲むという営みは、人類が誕生したころからあったと考えられます。飲酒は、日常の文化であり、コミュニケーションツールとして正しく使えば非常に有用ですが、アルコールとの付き合い方は本当に難しいところです。現在の日本では全国にアルコールを24時間販売するコンビニエンスストアがあり、テレビコマーシャルでは毎日のように飲酒を進めるCMが流れており、現代はアルコール依存に陥りやすい条件がそろっていると思います。

アルコールには、耐性と依存性があり、飲酒習慣が継続すると、これまでの量では、十分な効果が得られなくなり、アルコールの量が増える可能性があるのです。

アルコール依存症は飲酒をする方であれば誰でも発症する可能性のある疾患と言ってよいと思われます。我が国でのアルコール依存症の患者数は少なくとも50万人以上と推定され、そのうち治療を受けている方はわずか5%ぐらいと言われています。アルコール依存症まで行かなくても、お酒で失敗したり、健康を害したりしたことのある人はもっと多いことでしょう。私が接したアルコール依存傾向の方には、とてもまじめな方が多かったです。それだけに、アルコールによる問題を解決することは簡単ではないと思います。

一方で、少量の酒ならばいいのではないかという意見も一般的には根強くあります。よく引き合いに出されるのが、「酒は百薬の長」と言われる言葉です。しかし、この言葉については若干の説明が必要です。古代中国では、酒を政府が作って専売制にし、酒に税金をかけることにしました。そのため、皇帝がキャンペーンとして打ち出したのが、「酒は百薬の長」という言葉だったのです。この言葉には、中国4000年の医学の裏付けはなく、少量の酒が健康に良いという根拠は実はないのです。

当院では患者さんの健康状態をみて、もうきっぱりとアルコールをやめたほうがいいひと、制限が必要な人、禁酒をあえて勧めなくてもよい人に分けています。たとえばもう80代になっていて、毎日飲酒していても夜間の晩酌の範囲内で、現在健康状態に問題ないひとには禁酒を勧めておりません。しかし、社会的にこれからも重要な役割があり、アルコールを辞めたほうが良い方については、強く断酒をすすめることがあります。当院から、断酒のための専門プログラムを紹介することもあります。

そこまでいかなくても、お酒を減らした方が良い方に対しては、毎日の飲酒を避けることが最も大切で、いわゆる休肝日を設けることがもっとも大切です。できれば週2日、少なくとも週に1日は飲まない日を設けていただきたいです。飲まない状態でも大丈夫、という感覚を持っていただくことができれば、アルコールとの付き合い方はよりよいものになると思います。

 

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