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ゆっくりとした食事とマインドフルネス

[2022.03.02]

マインドフルネスという考え方が、近年欧米を中心に広がっております。マインドフルネスとは、「いま、ここに意識を向ける」という考え方です。現代ビジネスにおけるマルチタスクは脳に大変な負荷をかけ、脳疲労につながります。呼吸や身体感覚に集中することで、脳が休息でき、心身の統一が図れるというもので、日本でも徐々に広がりつつあります。

糖尿病診療において、肥満の改善は大きなテーマです。医者もその傾向がありますが、多くの肥満患者さんは早食いです。満腹を感じるホルモンであるレプチンが肥満細胞から分泌され脳に作用するのに20分かかるといわれております。早食いですと、レプチンが分泌されるまえに食事が終わってしまうので、満腹感を感じず、過食につながってしまう傾向があります。

栄養指導では、なるべくよく噛んで、ゆっくりと会話をしながら食事を楽しみましょう、という指導がよくなされます。ところが、長年しみ込んだ「食習慣」だけに、なかなか改善することは難しいです。このような場合、マインドフルネスを使った食事瞑想があう患者さんがいらっしゃいます。たとえば、5感で味わうこと、最初の一口はとくにゆっくりゆっくり食事を開始するというトレーニングを行うと、今の摂食行為に集中して、食事の喜びを感じることができるようになり、必要な分だけのエネルギーを摂取することに気づくようになります。

当院でも、このような考え方を取り入れ、栄養指導を進めていきたいと考えています。

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