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小青竜湯

[2023.04.17]

花粉症にも効果のある漢方

花粉症の季節で、ビラノアなどの抗ヒスタミン薬を希望される患者さんが増えてきています。しかし、なかには、抗ヒスタミン薬はどれも眠気がして困るので、漢方薬を出してほしいとご希望される方もいらっしゃいます。そういう患者さんに適しているのが、小青竜湯です。

小青竜湯は、

半夏(はんげ)、麻黄(まおう)、乾姜(かんきょう)、甘草(かんぞう)、桂皮(けいひ)、五味子(ごみし)、細辛(さいしん)、芍薬(しゃくやく)の8つの生薬からなる漢方です。

このうち麻黄は、エフェドリンを含んでおり、鼻水や鼻づまりなどの花粉症の症状を改善します。半夏・五味子は咳を抑え、細辛は炎症を抑えます。桂皮、芍薬、甘草、乾姜は桂枝湯の5つのうち4つの生薬を含んでおり、漢方の基本骨格というべき組み合わせになります。

鼻づまりがつよい花粉症の方に、アレグラの成分にエフェドリンを加えたディレグラ配合錠を使うことがありますが、ディレグラは、エフェドリンを含んでおり、鼻粘膜の血管を締めて、鼻づまりや鼻水を改善します。エフェドリンは鼻症状を改善するという例です。

一人ひとりに合わせた漢方を

虚証(華奢な方)には麻黄の入った漢方は強すぎてむかむかする場合があります。この場合、苓甘姜味辛夏仁湯という、麻黄抜きの小青竜湯のような方剤があります。これは、生薬のうち1文字を並べた処方名になっており、茯苓(ぶくりょう)、甘草、乾姜、五味子、細辛、半夏、杏仁(きょうにん)の7味です。太字の5つが小青竜湯と重複しており、花粉症にも有効です。現在小青竜湯は出荷調整がかかっており、処方が難しいことがありますが、苓甘姜味辛夏仁湯は通常出荷ですので処方できます。

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