大棗(なつめ)
[2024.06.18]
なつめは生薬としては大棗(たいそう)といい、クロウメモドキ科ナツメの果実です。中国が原産地ですが、日本では岐阜県高山市などで栽培されています。
デーツ(なつめやし)とは形や名前が似ているのですが、原産が北アフリカからアラビアあたりでヤシ科の果実であり、別な食物になります。
大棗そのものは気を補う補気の作用、鎮静の作用を持っています。大棗は生姜(生のしょうが)、甘草の組み合わせで漢方薬によく使われています。さらに桂皮(シナモン)、芍薬(6月に良く売られている芍薬の根)を組み合わせると桂枝湯の骨格となり、葛根湯や桂枝加竜骨牡蛎湯、柴胡桂枝湯など多くの処方に含まれています。さらに、芍薬を増量しますと桂枝加芍薬湯となりおなかに効いてくる漢方薬になります。それに膠飴を加えると小建中湯になります。
なつめはスーパーで売られていることは少ないのですが、生薬の専門店やアマゾンなどの通信販売で買うことができます。砂糖を加えていない自然の甘味で、気を補い元気をつける食べ物です。気持ちを落ち着かせる作用もあります。便通もよくなります。一度食べてみると面白いですよ。