HbA1cってなんでしょう
糖尿病患者さんが、診察のたびに採血して、一番気になる項目、HbA1c。ヘモグロビンエーワンシーと読みますが、これってなんでしょうか。
人間の血液が赤いのは、赤血球に含まれるヘモグロビンが赤いからです。ヘモグロビンも毎回採血で測定しますが、HbA1cはそのうち糖化されたヘモグロビンのことを指します。正常値は4.6-6.2%と言われております。(人間ドッグ学会では、5.5%以上を糖尿病の予備軍の可能性ありということでひっかけて、我々にご紹介くださいます。)
糖尿病でない人間の血糖値は大体100mg/dLぐらいに維持されております。そうしますと、人間の血液は5リットルぐらいとしまして、5gのブドウ糖(グルコース)が5Lの血液に溶けていて、この濃度になるのです。人間の体はこんなに大きくて5リットルの血液が流れているのに、ブドウ糖はたった5gって、かなり少ないと思いませんか?たった5gのブドウ糖を循環させて、脳という巨大なエネルギーを食う大事な臓器にエネルギーを送っているのです。
血糖値100mg/dLぐらいが続きますと、おおむねHbA1cは5%前後になりますが、平均の血糖値が上昇しますと、じわじわとHbA1cは上昇し、大体、6.5%を超えるあたりから、平均の血糖値が140mg/dLぐらいとなり、このあたりから糖尿病と診断されます。血液に含まれるブドウ糖が増えるほど、ヘモグロビンの側鎖にグルコースがくっついて、HbA1cが上昇してくるということになります。
糖尿病患者さんは7%未満にHbA1cを保つのが目標とよく言われます。最近は、患者さんによっては、まずは8%を目指しましょう、といった個別対応がなされることも増えてきました。
本日のお話は結構難しいお話だとおもいますので、今日はここまで。個々の患者さんのHbA1cの目標について、次回作にご期待ください!