のどになにかが張り付いたような感じがします。
「のどに何かできている感じがする」、「のどがイガイガ、ザラザラする」といった感じが続いており、胃カメラやファイバーでのぞいても何もありません、と言われた方はいらっしゃいますか?最近ではコロナ後遺症で、咳・咽頭痛が収まった後も、何かある気がして咳ばらいをしている、そういう方が多くいらっしゃいます。現代医学の用語では咽喉頭異常感症と呼んでいます。江戸時代以前は、「梅核気」と呼ばれており、梅干しの種がのどにへばりついている感じがする、と表現していました。
喉の症状にも漢方が効く?
このような症状に対して、16番半夏厚朴湯が有効です。わたくしも実は風邪を引いた後にこの症状が続いていたのですが、半夏厚朴湯を飲んですぐに改善し、なんとも不思議な感覚がありました。このような症状で苦しんでいる方には、ぜひ試してほしいです。
16番半夏厚朴湯は、半夏、厚朴、蘇葉、茯苓、生姜の5つの生薬からなります。この中で、主役の半夏は鎮咳作用、去痰作用をもっております。16番を内服すると、最初は無味ですが、しばらくしてえぐみが沸き上がってきます。これが、半夏のえぐみであると思われます。
へそくりの語源 半夏
半夏はカラスビシャクという山地に自生する薬草の塊茎です。カラスビシャクの外見は、下の画像のようにはんともはかなくかわいらしい形をしております。根っこの部分に半夏があります。
半夏は、真っ白ないろの丸い球体で、へそをくりぬいたような形をしているので「へそくり」と呼ばれていました。貧しい農家の嫁が、道端に生えているカラスビシャクの半夏を集めて薬屋に売り、自分だけのお金を作ったといわれており、これが「へそくり」の語源になったといわれています。