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スマートフォンによるめまい

[2023.09.03]

最近、めまいがするということで来院された40代の女性。診察上、明らかな麻痺はなく、ろれつもきちんと回っている状態で、脳の異常はなさそうです。お話をしてみると、スマートフォンを仕事やプライベートで1日何時間も使っていて、スマートフォンを触った後にめまいがするとのことでした。実際、スマートフォンを触っているところを診察室で拝見したところ、縦方向のスクロールの時に上下方向の眼振が認められ、そのあとで気持ち悪い感じがするとのこと。

アドバイスとしては、スマートフォンの使用は仕事のとき、どうしても必要な最小限の時間に制限すること、SNSを長時間見続けることを避けること、とくに、縦方向のページスクロールに注意して、ゆっくりページを進めるように指導したところ、2週間後の受診ではめまいや気持ち悪さはなくなったということでした。ご本人もスマホの上下のスクロールが原因だったということに初めて気が付かれたようで、「スマートフォンの使い方って難しいんですね・・」と感想を述べておられました。

人間の目は、左右方向の運動には比較的向いているのですが、上下の動きは筋肉の連動が複雑で、とくにスマートフォンで文章をスクロールで読むことに向いていません。そのため、スクロールして再び文字に焦点を合わせるのに上下の眼振が生じてしまい、この女性のような症状が出る可能性があります。スマートフォンはもはや生活のツールとして不可欠のものになっており、使わないわけにはいかないのですが、特に上下のスクロールは目の疲労の原因にもなりますので、注意して使用していただきたいと思います。

 

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