持続性GIP/GLP-1受容体作動薬
チルゼパチド(マンジャロ🄬)皮下注
持続性GIP/GLP-1受容体作動薬であるチルゼパチド(商品名マンジャロ)が、2023年4月18日に発売となります。もっとも血糖低下・体重減少効果が強いとされるGLP-1受容体作動薬であるセマグルチド皮下注射(オゼンピック)を上回る効果が臨床試験で確認されており、現段階でもっとも効果の高い、インクレチン関連注射製剤です。また、日本人を対象に行われた、SURPASS-J-MONO試験においては、BMI 26平均程度の日本人型肥満の患者中心の試験が組まれましたが、一部悪心・食欲不振による治療中断がありましたが、比較的安全に52週間の試験が終了し、デュラグルチド(トルリシティ)を上回るHbA1c 低下効果、体重減少効果が認められました。特に、HbA1c 7.0%未満の治療目標を達成した割合が94%以上という、驚異的な血糖低下効果は特筆すべきものでした。しかも、インスリン・他の経口血糖降下薬の併用なしのチルゼパチド単独投与での結果です。
どのような患者さんに適しているか
現在日本で頻用されている、トルリシティ皮下注もしくは、オゼンピック皮下注を使用していても、まだ治療目標未達成で、その原因として肥満による内臓脂肪蓄積が関与している患者さんによい適応です。
注意点
日本の保険診療では、新薬はより高い安全性への配慮が求められ、2週間処方となり、2週間ごとに医師が健康状態を直接診察室で観察することが義務付けられています。
このお薬は2.5mgで開始し、4週間ごとに5mg→7.5mg→10mg→12.5mg→15mgと増量していきます。治療目標を達成した段階で維持量とします。常用量のマンジャロ5mgペン1本で低下3848円となり、4週使って3割負担ですと4617円で、トルリシティ皮下注が1本2917円、 4週間3割負担で3500円ですので少し値段は高くなります。
GLP-1受容体作動薬に共通ですが、食欲低下作用・体重減少作用は悪心や食欲不振と表裏の関係です。嘔気や食欲不振が強く、注射後改善せず数日間食事がとれないような場合、すぐに主治医に連絡してください。コロナ感染症など、シックデイの状態でも主治医に連絡し休薬です。
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