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糖尿病患者さんの便秘

[2022.01.11]

糖尿病患者さんは、排便や排尿について悩んでおられる方が多くいらっしゃいます。診察室でも排便についての悩みをよく聞きます。

今回、便秘について、具体的にどのように診療しているのかをご紹介いたします。

まず、メトホルミン(メトグルコ)を内服している糖尿病患者さんで慢性下痢を訴えていらっしゃる方は、一度減量を試みます。日本人はメトホルミンが非常に有効ですが、増量すると下痢などの消化器の副作用を訴える方がいらっしゃいます。たとえば1日あたり1500mgを1000mgへの減量で改善したら、その方の最大用量は1000mgと考え、それ以上に戻さないようにしております。

便秘薬を使われる方は多いのですが、便秘薬は

  • 浸透圧製下剤 腸の中で薬剤の浸透圧により水分を吸収させて、便を柔らかくし、排便を促す。酸化マグネシウム、ポリエチレングリコール(モビコール®)、ラクツロース(ラグノスNF経口ゼリー®)

  • 刺激製下剤 センナ、センノシド(プルゼニド®)、ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン®)
  • 粘膜上皮機能変容薬 ルピプロストン(アミティーザ®)、リナクロチド(リンゼス®)、エロビキシバット(グーフィス®)

刺激性下剤は、大腸の神経に作用して、腸の蠕動運動を起こします。もともとは漢方薬大黄の有効成分で、古くから使われている歴史のある薬ですが、長期内服で耐性が生じることが知られており、近年ではなるべく避ける傾向にあります。①の浸透圧製下剤に、③のいずれかを加える、または③のいずれかで勝負することが増えてきました。

今回は①のなかから、ポリエチレングリコールをご紹介します。

ポリエチレングリコールは、大腸内視鏡の時に大量に飲むお水、ニフレック®の有効成分と同じです。欧米では便秘症の第一選択薬として使われてきましたが、近年になってようやく個包装タイプのモビコール®が処方できるようになりました。

Mgが上がらない若年者であれば、従来型の酸化マグネシウム製剤もまだまだ有用な薬です。アミティーザやグーフィスは、センノシドのように耐性ができる傾向はあまりありませんが、若年者でやせている人では腹痛を起こす場合もあるので、まずは酸化マグネシウムやモビコールで治療開始し、効果不十分な場合、併用を考えます。

また、頑固な便秘の訴えから大腸の病気が判明することがあります。大腸の病気を疑う場合は、大腸内視鏡検査ができる施設をご紹介しています。

便秘が改善すると食事療法が改善するケースがあります。糖尿病患者さんは軽度の神経障害から便秘の訴えがある場合が多く、お悩みの場合、改善する手立てがありますので、ぜひご相談ください。

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