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糖尿病とがんについて

[2022.07.10]

糖尿病をもつひとは癌にかかりやすいのか、これはかなり難しい問題です。糖尿病患者さんは定期的な通院で採血をしますので、採血の異常値から癌が見つかりやすいという発見バイアスが指摘されております。バイアスとは、がんと糖尿病との関連を見る際に、その両者に関係のある、年齢、性別(男性の方が糖尿病にかかりやすく、がんにもなりやすい)、飲酒、喫煙、そして、病院の受診頻度などの要素が影響し、糖尿病があると癌になりやすいという直接の因果関係を示すことが難しくなるのです。

日本人で、交絡因子の影響を補正して統計をきちんととったところ、がん全体で、糖尿病があると、がん全体で1.2倍がんにかかりやすいという結論になりました。がん自体は日本人の2人に一人が罹患するありふれた病気になっていますので、糖尿病だけががんの原因ということはほとんどなく、糖尿病をもつと「少しだけ癌になる確率を上げる」と言えますが、糖尿病がなかったとしても癌にかかるかたは大勢いらっしゃるということになります。

当院に通院している糖尿病患者さんの癌をなるべく防ぎたい、そして、癌をなるべく早期に発見したいという気持ちは強く持っています。それは、人間全体をみる医者になりたいと内科医を志望したときと同じ気持ちです。

予防としましては、禁煙・過度な飲酒の是正を呼び掛けています。とはいえ、禁煙ひとつとっても簡単なものではないのは承知しており、患者さんとの話し合いで最終的には患者さんが納得して禁煙していただいた方がいらっしゃいます。

また、早期発見としまして、CTスキャンを外部委託し、必要な患者さんにはCTを撮影していただき、診察室で画像を見ながら患者さんにご説明しております。そして、癌が見つかれば最も適切な施設を紹介し、治療に行っていただきます。

糖尿病専門医なので血糖値をみることももちろん大事ですが、糖尿病患者さんも癌をはじめとする糖尿病以外の病気になることもありますので、トータルでみる医者でありたいと思っております。

 

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