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低血糖にどう対処するのか?

[2022.03.12]

80代男性、1型糖尿病で30年ぐらい通院している方。血糖値が44mg/dLでした。一般的に70mg/dLを切ると低血糖と呼んでいます。診察室にお呼びして、「低血糖があったようですが、採血後なにか飲んだり食べたりしましたか?」と聞いてみると、「はい。なんとなく分かりました。(何かを)ちょこっと食べましたよ」とのお答え。診察室でワンタッチベリオビューで血糖値を測定したところ123mg/dLでした。

こういうケースは外来でよくあります。特にインスリン自己注射をされている患者様によく見られます。特にご高齢の方にとっては、病院の受診は一大行事です。普段の食事のサイクルも乱れがちですし、通院距離も意外にあり、エネルギーを消費する場合があります。

この患者さんの場合、無自覚の低血糖である可能性があります。通常、50-60mg/dL程度まで血糖値が低下すると、動悸、冷や汗、手の震えなどの自律神経症状が出現するはずですが、低血糖刺激に体が慣れていきますと、症状が起きにくくなります。自律神経症状は、患者さんに危険を知らせる警告でもあります。低血糖を起こさなくなると、また症状を感じるようになります。

低血糖の対応は、速やかに血糖値を上げるのが最良です。おにぎりのようなものを食べたり、あまいグミなどを食べたりする方法がありますが、チョコレートは、意外に脂質が多いため、

血糖値が上がりにくいことがあります。おにぎりのような食べ物は胃からは吸収されず、十二指腸を通過して初めて空腸から吸収が始まり、血糖値が上がりますので、緊急避難にはぶどう糖の入った飲み物がベストです。赤い(普通にぶどう糖の入った)コーラや缶入りのデカビタチャージはぶどう糖を含んでいますので、お勧めです。最近はアスセルファムKなどの人工甘味料を用いて、カロリーゼロの飲料が多くなっており、甘いサイダーでも成分表示にカロリーゼロと書かれていれば、全く血糖値が上がりませんので、低血糖の対処には使えません。ご注意ください。

低血糖を起こしているか、一度、ワンタッチベリオビューなどの自己血糖測定器で測定したいものです。インスリンを注射している方は、1型、2型の種別に関わらず、保険適応で血糖値が測定できます。私の仕事は低血糖が起きている理由を患者さんごとに個別に考えて、なるべく低血糖を起こさない治療を提供することです。このテーマについては、また機会を改めて、コラムに書いてゆきます。

 

 

 

 

 

 

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