逆流性食道炎
胃の中は強い酸性になっております。胃酸には、強い殺菌作用があり、われわれがばい菌だらけの食品を食べても平気なのは、ひとつには胃酸によりほとんどが殺菌されてしまうからです。
口から入った食べ物は、食道→胃→十二指腸→小腸→大腸と流れてゆきますが、食道と胃の境界には食道括約筋が存在し、胃酸は通常食道に逆流しないようになっております。
ところが、この逆流防止機能が衰えている方が増えてきており、逆流性食道炎を持つ方が増加しております。肥満や高血圧、糖尿病など、生活習慣病を持つ方にも、とくに逆流性食道炎が多いのです。
逆流性食道炎が増加した原因の一つは、食の欧米化によると考えられます。一度に大量の食事をとったり、高脂肪食を取りますと、食後に胃酸のが逆流が起きやすくなります。食べてすぐ横になるとさらに起こりやすくなります。アルコールは直接食道粘膜を刺激するほか、胃酸分泌を促すなど逆流性食道炎を悪化させる可能性があります。
また、肥満者は、内臓脂肪のため腹圧が上がり、食道裂孔ヘルニアといって、横隔膜の裂け目から胃袋が横隔膜の上にあがり、さらに胃酸の逆流が起こりやすい状況となります。
これらの理由もあり、糖尿病や高血圧といった生活習慣病のクリニックであります当院では、逆流性食道炎をよく診察しております。胃カメラによるスクリーニングが必要と判断される患者さんは、適切な施設をご紹介しておりますが、多くは問診で診断がつき、プロトンポンプ阻害薬にて治療することができます。
糖尿病以外にも、一般的な体のお悩みに当院はできる限り対応してゆきたいと思っております。いつか、漢方薬についても考えていることを書きたいと思っております。