糖質を取らなければいくら食べても太らない体になりますか?
最近、患者さんからこんなふうに聞かれました。
「糖質を抜いて、脂質だけをしっかりとってれば、ケトン体が出て、全部燃えてしまって、太らない体になるんですよね?」
——うーん、よく見る情報ですけど、それ、ちょっと違います。
たしかに「糖質制限」とひとことで言っても、かなり幅があります。
糖質を20%以下まで極端に落とす、いわゆる「ケトジェニック」な食事から、
「夕飯のごはんをちょっと減らしてみる」くらいのゆるやかな制限まで、
やり方は人によって本当にさまざまです。
ケトン体が出ていても、食べすぎたら太ります
糖質をぐっと制限すると、体は脂肪を分解して「ケトン体」というエネルギー源を作ります。
これは本当です。で、たしかに、血糖値も安定しやすくなるし、脂肪をうまく燃やせる体になる。
でもだからといって、「何をどれだけ食べても全部燃えて太らない」なんて都合のいい話はないんです。糖質が少なくても、摂取カロリーが多ければ、やっぱり余ったぶんは蓄えられます。
ケトン体が出てる=痩せてる、ではないんですね。太っているけどケトン体が出ている人もいっぱいいるんです。
なにしろ、ケトン体は脂肪を燃やした結果、生じるものです。減量が多ければケトンもたくさん出ますよね。
ごはんの量で、糖質のバランスを考えてみると…
たとえば、1日1600kcalくらいの方を例にしてみます。
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毎食ごはん160gだと、糖質はだいたい50%くらい
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ごはん130gくらいにすれば、40%くらい
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ごはん90gまで減らすと、30%くらい
という感じです。
「40%」くらいなら、ごはんちょっと少なめかな?という程度で、現実的にも続けやすいですね。さらにご飯を1食減らせば、スイーツだって食べられる。
一方で30%になると、かなり軽めに感じる方も多く、間食も難しくなって、満足感が下がりやすいですね。
なので、続けられるかどうか、という点で慎重になる必要があります。
極端な糖質制限も、うまくいっていれば無理に止める必要はない
とはいえ、極端な糖質制限をしていても、安全に行えていて、数値も良くなっているのなら、
私は「それはやめましょう」とは言わないです。
実際、糖質制限をしているあいだは、カロリー制限も自然とできていることが多くて、体重がしっかり落ちることが多いんですよね。
そして、その「やせた」という体験は、本人にとってものすごく大きいんです。
努力して結果を出した、という感覚。
これは何にも代えがたいものです。
だから私は、そこを否定するよりも、その後どう「着地」していくかを一緒に考えるようにしています。
「無理なく続けられること」こそがいちばん大事
糖質制限に限らず、どんな食事療法でも、やりっぱなしでは意味がないです。
一時的に痩せても、その後リバウンドしてしまっては意味がない。
大事なのは、「このくらいならずっと続けられそうだな」という食事のパターンを探してゆくことです。
糖質は悪者じゃない。人間が生きてゆくうえで、大切な栄養素です。
多すぎても少なすぎても、どこかに無理が生まれてしまいます。「ちょうどいい糖質」との付き合い方を、一緒に探していけたらと思っています。
