「これ食べていいの?」甲状腺の病気と食事・薬の基本
診察の際に、「海藻は控えたほうがいいですか?」「サプリメントも気を付けたほうがいいですか?」とご質問をいただくことがあります。甲状腺の病気をお持ちの方にとって食事や薬の飲み合わせは気になる点かと思いますが、心配しすぎる必要はありません。いくつか押さえておきたいポイントをご紹介します。
ヨウ素(ヨード)摂取の注意点
まず、甲状腺ホルモンの材料となるヨウ素(ヨード)についてです。ヨウ素は体にとって大切な栄養素ですが、取りすぎると甲状腺の働きに影響が出ることがあります。少量であれば大きな影響はないため、下記のような過剰摂取の状態に注意してください。
- 昆布を毎日のようにたくさん食べること
- 昆布だし、昆布エキスを多く含む食品を続けて摂ること
- ヨウ素を含むうがい液やのどのスプレーを頻繁に使うこと
過去には、梅昆布茶やとろろ昆布を頻繁に摂ることで甲状腺ホルモンが減少していた方もいらっしゃいました。一方、わかめや海苔を適量食べる程度であれば、多くの場合で気にする必要はありません。
チラーヂンSと飲み合わせの注意点
甲状腺機能低下症に対して処方されるチラーヂンS(レボチロキシン)は、飲み合わせに注意が必要なお薬です。特定のサプリメントや薬剤と一緒に服用すると、お薬の吸収が妨げられてしまうことがあります。
| カルシウム製剤・鉄剤 | これらを含む薬剤と一緒に飲むと、チラーヂンの吸収が弱くなることがあります。 |
|---|---|
| 胃薬(アルミニウム含有) | アルミニウムを含む胃薬も吸収に影響を与える可能性があります。 |
| 市販薬・サプリメント | 処方薬だけでなく、市販の製品が影響することもあります。 |
普段から服用しているものがあれば、診察の際にお知らせください。
甲状腺機能に影響を及ぼす可能性のある薬剤
他の疾患で使用している薬が、甲状腺機能に変化をもたらすことがあります。以下の薬剤を使用する際は注意が必要です。
- CT検査で使用する造影剤
- アミオダロン(不整脈の薬)
- リチウム製剤(心の病気の薬)
- 免疫チェックポイント阻害薬(抗がん剤の一種)
他の診療科を受診される際にも、「甲状腺の病気で通院している」と伝えることで、より安全に治療を受けることができます。
血液検査の結果に影響する成分
甲状腺の機能そのものには影響しませんが、血液検査の測定値に影響を及ぼす成分があります。代表的なものは、美容や健康維持のために飲まれることのあるビオチンを含むサプリメントです。正確な診断のために、検査前には服用状況をぜひお知らせください。
甲状腺疾患と上手にお付き合いいただくために
甲状腺疾患があっても、食事や薬剤に対して過剰に心配する必要はありません。大切なのは「昆布の摂りすぎに注意すること」と「お薬やサプリメントについては事前に相談すること」の2点です。気になることがあればいつでもお気軽にご相談ください。
(今回は非常勤医師の木村先生にご協力いただきました)
このような症状はありませんか?
・咳が2週間以上続いている
・倦怠感が続いている
・甲状腺の異常が心配
・市販薬で改善しない
・健診で異常を指摘された
・体重や血糖値が気になる
当院では、必要に応じて
血液検査やエコー検査を行いながら評価いたします。
症状が長引いている場合や、ご不安がある場合には、
無理に様子をみず、ご相談ください。
